Catch the Taxi

東京都内のタクシーを中心にアーカイブして居ます。

国際電気

中央無線/国際電気/日産・セドリック営業車 2022年7月撮影

 

イオンモール座間に併設されている日産・カレスト座間店にて、期間限定で日産ヘリテージに保管されている車両が展示されて居ます。

 

多くの場合、日産の往年の名車達や、かつてモータースポーツで活躍した日産のマシンが中心ですが、先月末から今月末までの期間は変わり種のタクシーが展示されています。

 

1996年式のフェンダーミラー・オレンジウィンカー世代のセドリックタクシーとの事ですが、この世代のセドリックタクシー自体は地方や大阪の日本タクシーではまだ辛うじて在籍しているもので、レトロな部類になりつつあるのは間違いありませんが、まだまだ貴重と言うには早い車両だったりします。

 

……が、実はそうシンプルにただのちょっと昔のタクシーとは言い切れない存在であるのもまた事実。

 

この車両は既に大和自動車交通と合流し、信和事業協同組合と名前を改め、独自無線組合を解散した中央無線の車両で、更には2016年に事業撤退をしたタクシー会社、国際電気がかつて実際に使用していたというタクシー車両です。

 

 

しかもそれだけでは無く、バブル期のタクシー不足を補う為、深夜帯のみの営業を許可されたタクシー、「ブルーラインタクシー」としておそらく唯一国内に現存する車両です。

 

バブル景気を迎えた年号と車両の年式にやや開きがあるものの、実際に稼働していたのが伺える車体のコンディションや、車体に貼り付けられている多くのステッカー類がこの車両をまごうことなき「本物」にしているのは間違いありません。

 

 

 

マスキングして表記したであろう、会社名や今ではすっかり見られなくなった電話番号など、時代を感じる表記の数々。

 

 

中央無線の表記や初乗り2km660円も懐かしい要素です。「午前4時帰庫」表記はまさしくブルーラインタクシーの象徴かもしれません。

 

 

JCBカード表記に、使用可能なカード会社一覧を掲載した大型のモヒカン型行灯。

 

 

2004年のタクシーランク制度の「AA」優良事業者を示したステッカー。

2013年以降は「AAA」「AA」「A」の丸形ステッカーから「優良」の四角ステッカーに切り替わった事で、今では見ることのできなくなったものです。私が物心付く頃は青地に白文字でしたが、この当時はオレンジ色だったようです。

 

 

幕式のメーターもすっかり見かけなくなりました。思えば、都営バスからも幕車が引退してから久しいですし、無理も無いかもしれません。

最近では英語表記を兼ね備えたタイプのものもあれば、メーターの位置が助手席側ダッシュボードから助手席側サンバイザーの位置に移設されたタイプも出てきました。

 

 

芋羊羹の愛称もあったという、中央無線の黄色い棒型行灯。

シンプルなデザインですが、オレンジに青色ストライプのボディにはよく似合っていたように思います。

 

ちなみに「中央無線」のみの物は非無線車、「中央(数字)無線」の物は無線車という違いがありました。

 

 

リアビュー。

 

 

このタイプのスチールホイールを都内で見る機会はかなり減少しました。

 

 

正直に言えば、年式の違いもあり、この車両が「本物」のブルーラインタクシーなのかは懐疑的だったのですが、塗り直した形跡は見当たりませんし、諸々のステッカーやややヤレたコンディションを見るに、この車両が少なくとも「本物」であることを確信出来ました。

 

日産ヘリテージが現在、見学を募集していない事もあり、見る機会が非常に限定されていることもあり、今回こうして本物を見れたのを大変嬉しく思います。是非とも興味のある方は足を伸ばしていただければと思います。期間は6/29から7/26の約1ヶ月間で、まだまだ猶予があります。平日の昼間+タクシー車両なのであんまり見学してる人は多くありませんでしたが、今後夏休みも始まりますから、一度拝見したいという方は早めに足を運ぶと混雑を避けられるかもしれません。

 

そして今回、フォロワーの協力の下、車で赴きましたが、城東方面から都心を抜けてここに至るまで、下道では2時間以上を要しました。

どこからイオンモール座間に向かうかにもよりますが、周辺の道路状況もあまりよろしく無いように感じましたし、私個人としては鉄道+シャトルバスの利用を強く推奨します。