グリーンキャブ/新宿本社営業所/トヨタ・プリウスα 2018年10月撮影
何気に当ブログでは初の紹介となるプリウスαのタクシー。
国内外問わず、プリウスα(北米名:プリウスV)のタクシーは実は多い存在だったりします。
2000年代後半、タクシーのハイブリッド化が進む過程でハイブリッドカーであるプリウスの導入が増えた一方、燃費性能の為に空力を強く意識したデザインが施されていたプリウスは後部座席が狭い事がネックでした。
その為、一部事業者では乗客からの「狭い」というクレームを受けて導入をストップした……という話も当時耳にするくらいには、やはり後部座席の狭さがプリウスの弱点だったように思います。
そんなプリウスの弱点克服の為に登場したと言っても過言ではないのがプリウスのワゴン車、つまり「プリウスα」でした。チーフエンジニアは後に現行シエンタやそれをベースにしたJPNタクシーを手掛けた粥川宏氏とのことで。
ワゴン車の、それもハイブリッドカーということもあり、登場とともに人気を博したプリウスαはタクシー業界にも波及し、プリウスからプリウスαに置き換えた事業者や、初のハイブリッドとしてプリウスαを導入した事業者、LPG車に拘りの薄い事業者が導入したケースもかなり多く、コンフォート系やセドリックを除いた際に一番多く走っていた「タクシー車両」と言っても過言ではないと思います。
登場から10年後である今年の3月に生産を終えたプリウスα。2010年代も半ばを過ぎる頃にはトヨタはプリウス以外の車にもハイブリッドモデルを拡充し、2018年頃には全てのモデルにハイブリッドが設定された事もあり、その頃にはすっかり「居住性が比較的高いハイブリッドカー」というアドバンテージを失ったプリウスαは徐々にセールスも落ち込み、晩年にはタクシー用途でのセールスが一番多かったのではないかと邪推しております。
と、プリウスαの話はこの辺にして、プリウスαが登場した頃のグリーンキャブの主力車種はもっぱらクラウンセダンで、他車種はかなり少数派でした。Wikipediaによると、このグリーンキャブのαはかつて在籍していた日産・プレサージュの代替車両で2013年に置き換えられたとのことで。2014年にプリウスαはマイナーチェンジでフェイスリフトを行っていますが、この車両はフェイスリフト前なので年式も合致しますね。
このプリウスαを撮影してから既に3年が経過し、唯一残っていたというNV200のグリーンキャブも退役したという話ですから、まだ現存しているのか少し気になるところではありますね。